
姉のネビロスミリアと妹のネビロスメリーは悪魔の姉妹。
「「何か楽しい暇つぶしはないかしら?」」
退屈していた2人は、ある日とある城に目をつけた。
楽しそうに働くメイドたち。
誇りに満ち溢れた城の騎士団。
活気に溢れ、生を謳歌する人々。
「「嗚呼、彼らの悲鳴はどれだけ素敵なのかしら!」」
2人は城へ降り立った。
彼女たちの見かけは少女。
背後で蠢く頭部が三日月の操り人形ーー呪縛の月さえなければ。
「お嬢さんたち、お家はどこだい?」
迷子に声をかけたつもりの兵士の、首が、次の瞬間には宙を舞っていた。
「「私達退屈なの。お兄さんたち、遊んでちょうだい」」
姉のミリアが虚空から配下の下級悪魔たちを召喚すると、悪魔たちは兵士たちの剣に取り憑き魔剣となって、持ち主たちを襲う。
城に一瞬で悲鳴と怒号が満ち溢れた。
悪魔の憑依から逃れた狙撃手や槍兵が応戦するも、魔剣たちは血を浴びるほどに強くなり、もっと血を寄越せとばかりに襲いかかる。
騎士団長グランゼールは突然の事態に内心慌てながらも、主である城の王を真っ先に逃した。
「どこか遠くへ。終わり次第迎えにあがりますゆえ。」
王たちの無事を祈りながら、彼は精鋭の近衛兵達と共に元凶のいるジリア広間へ向かう。
きらびやかな城は血で彩られた死の舞台と成り果てていた。
血を滴らせた魔剣たちがくるくる回る。
くすくす、と姉妹の笑い声と共に死者たちが踊る。
「さぁさぁ、もっと楽しい見世物を見せてちょうだいな」
妹のメリーが三日月に魔力を流す。
呪縛の月。
屍人を操る、忌まわしき三日月。
倒れたメイドたちがフラフラと身体を起こす。血の気のない青い顔のまま。体から血を滴らせながら。人間とは思えない呻き声だけを漏らして。
妹のメリーの指揮に合わせて、メイドたちが血を滴らせながら兵士たちに縋り付く。一瞬だけ剣を振るうのを躊躇った兵士は、無情にもメイドたちに群がられ命を刈り取られていく。
そしてまた倒れた兵士は、動く屍人として立ち上がる。
「ああ、男は可愛くないから肉はいらないわ」
「そうね、魔剣たち、吸っちゃいなさい」
抵抗しない屍人に魔剣が群がる。
やがて兵士だった彼は骨だけとなって、それでもまだ彼は動いている。
メリーとミリアの、忠実なる玩具として。
味方がやられるたびに、敵の戦力が増していく。
「そこまでだ!」
早くあの悪魔たちを倒さなければ!
気が急くグランゼールを嘲笑うかのように姉妹は死者たちを操り襲わせた。無残にも変わり果てた部下たちが、グランゼールの行手を阻む。
心の中で謝りながら、死者たちを手にかける。
あとで必ず埋葬しよう。無事に悪魔達を倒せたら。
獅子奮迅の戦いだった。
彼の剣裁きはさながら、独りで演舞を踊っているかのよう。
足を断ち、剣を砕き、死者達を薙ぎ払いながら彼は進む。
「悪魔よ、滅せよ!」
彼の剣が遂に姉妹を捉えた。
「えっ、きゃあ!」
「痛ーい!なんでぇ!?」
余裕を浮かべていた姉妹がそこで初めて動揺をあらわにした。
それはそうだ、彼女達は本来幻想の存在。
彼女達にとってはこれは遊びで、暇つぶしで、戦いではない。
一方的な蹂躙だと思っていたからこその、油断。
「私の剣は闇を纏い、闇を刈る」
剣はいつの間にか、鎌の姿をしていた。
代々の騎士団長に伝わるその剣は、圧倒的な技量と気高い魂を持たねば制御できない闇の剣。
「悪魔共よ!これ以上は私が許さぬ!闇に還るがいい!」
「思ったより楽しめそうじゃない、ねぇ、メリー」
「ええ、ミリアお姉ちゃん。楽しみましょう」
それでも姉妹は笑う。
素敵な暇つぶしを見つけた顔で。
しばらく、激闘が続いて。
「人間にしてはいい腕してたじゃない」
「ふふっ、少し本気だしちゃったね〜このまま死なせちゃうのが惜しいくらい」
その場に三つあった人影は、二つになっていた。
ネビロスコア。
元々一人の悪魔として生まれたミリアとメリーが融合して生まれる本気の姿。どちらか片方ずつなら互角だったが、真の姿の彼女にグランゼールはなすすべもなく地に伏せた。
命が尽きる間際、彼の手に触れたのは、城に伝わる持ち主の命を奪うと言われる呪われた兜。激しい戦闘で兜のショーケースのガラスが割れて、転がってきたのだろう。
ふと、グランゼールの頭に何者かの声が聞こえた。
『命を闇に捧げる代償を払うなら、汝の願いを叶えよう』
嗚呼、命を奪うというのはただの伝説ではなかったのだ。
それを理解した彼は、尽きゆく命を抱えたまま願った。
『この悪魔たちを永劫この地に縛りつけろ』
このままではこの城は落とされ、悪魔たちは更なる刺激を求めて外へ出ていくだろう。大量の屍人たちが行進の果てに辿り着くのは、荒廃した世界。
せめて被害は、この地だけで。
『それは汝も対象になるが、承知の上か』
闇に捧げるというのは、悪魔になるということだったのか。
掠れゆく意識を必死に繋ぎ止めて、彼は、答えた。
『構わない』
あいつらに好きにさせるくらいなら、悪魔に堕ちてでも阻止してくれる
『願い聞き届けたり』
闇を縛り、闇に縛られるーー”暗縛”グランゼールの誕生の瞬間。
兜から溢れる闇は城全体を包み込み、ネビロスメリーも、ネビロスミリアも、死者も、生者も、全てをこの地に縛り付けた。
それから、幾年も時が過ぎた後。
血を魔剣たちに吸われつくした兵士たちは骨だけになろうとも安息を許されず。見目麗しいまま死んだメイドたちは腐肉の塊となっても安息を許されず。魔剣たちと悪魔姉妹は退屈を感じるも離れることを許されず。
悪魔へ堕ち憎悪の塊と成り果てた騎士団長だった男は
かつては豪華な城であっただろう古城の中で今も尚、彷徨っている。
真面目な考察内容
おおよその各キャラ設定はペット設定から。
気になる人は散歩用ペット獲得して読んでみたらいいよ。
それでまあネビロスの二人が姉妹なのはミリアの方にガッツリ書いてあります。ただしネビロスコアが二人の本体とも書いてあるので、コアから分離した形がメリーとミリアなのかもしれない。たまにいるよねそういう悪魔キャラ。

そしてグランゼールのペット設定に「ネビロスメリーに敗れ悪魔となった」と書いてあるので、古城は襲いに来たネビロス姉妹vs騎士団だったんだろうなと妄想。

ダンピールとグールが見た目メイドで、当時階層ごとにドロップアイテムが違った時もアイテム名が「ボロボロのメイド服」だったので、まあお城のメイドさん達だったんでしょう。
ホネホネスケルトン達はそれぞれ弓の使い手・下っ端・近衛・教官と書いてあるので、騎士団の成れの果て感が伺える。

ソードオブシリーズはソードオブペインに「悪魔と融合した魔剣」としっかり明記されてるのですが、こいつらから作れるアバターの「魔の短剣」の説明に「悪魔は祓われ元の短剣の姿を取り戻している」と書かれてるので、祓うことができる→元々そういう生態ではない→ネビロス姉妹の仕業っぽい、と予測してます。

かつての古城にはミミック達もいましたが今回は除外してます。どう絡めろっていうのあれ。
グランゼールの降臨名称(今だとアチーブのメインタワーカテゴリのボス討伐
アチブに残ってるだけですが)が「暗縛」なので、「この地に闇を縛りつける」と「自分自身が闇に縛られる」のダブルミーニングで解釈してみました。
だってグランゼールコアの設定が「闇に染まり今もまだ闇の中を彷徨っている」だし…..。
当時のグランゼールのドロップアイテムが「騎士団長の勲章」で、アイテム説明に「選ばれし者のみに与えらた団長の証。圧倒的な強さと優れた人望を持つもののみに与えられる」と記載されていたので、まあ城の人たちがスケルトンだのゾンビだのになったらそりゃ悔しいよなぁ、なんて。捏造。
とりあえず運営はダンピールのペット設定もう少し書くことあったでしょ。

私いつかの階層クエのこの敵配置が好きでした。
運営も当時は意識してたんだな、うん。

ただひたすら中の人の妄想 – リヴァプールに集合 への返信 コメントをキャンセル